紫外線

紫外線は、老化を促進する最大の要因として、皮フにとっての大敵と考えられています。

紫外線の種類

紫外線は波長の長さによって3つに分類できます。

  • UVC短波長紫外線(280nm)
  • UVB中波長紫外線(280~320nm)
  • UVA長波長紫外線(320~400nm)
紫外線
波長が短くなるほど、皮フへの影響が強くなってきますが、波長が短くエネルギーが強いUVCとUVBの一部は、大気のオゾン層で吸収されるため地表には届きません。 オゾン層に吸収されずに残ったUVAとUVBだけが地表に届いています。

皮フへの影響

紫外線は皮フ表面だけでなく、真皮を破壊・変化させます。
紫外線の中でもUVAとUVBは性質が異なり、皮フへの影響も異なります。
皮フへの影響

<UVA(長波長紫外線)= 老化紫外線>

皮膚の黒化
  • ・表皮にある淡色のメラニン色素を濃い色に変化させ、
    皮フを黒化させる(=サンタン)
  • ・真皮の深くまで浸入し、長時間浴びるとハリや弾力が失われる

<UVB(中波長紫外線)= シミ紫外線>

炎症
  • ・短時間で皮フを赤く炎症をおこさせ、
    その後メラニン色素を増やす(=サンバーン)
シミ・シワ
  • ・大部分は表皮で吸収されるが、繰り返し浴びるとシワやシミなどの
    老化促進につながる
加齢により、コラーゲン線維やエラスチン線維は少しずつ弾力を失ってきますが、紫外線を浴びることでそれが加速され、皮フの老化が一気に進みます。

紫外線を防ぐポイント

紫外線の強い時間帯、場所、条件を避ける

<季節>

一年の中では夏至の頃が、太陽が日本に最も近くなり強い紫外線が真上から降り注ぐ。4~9月まで強い時期が続く。

【紫外線のUVAとUVBの月別変動】 紫外線のUVAとUVBの月別変動

<時間>

一日の中では、UVA、UVBともに正午前後に最も強くなる。UVAは徐々に量が増えるので、 朝や昼の遅い時間も注意が必要。

【紫外線の1日の変動】 紫外線の1日の変動

<天候>

曇りや雨の日でも紫外線が降りそそいでいる。

天候

<環境>

海辺、海上、プールサイド、スキー場などでは直射日光のほか、反射してくる紫外線にも注意が必要 。

環境

肌を直接、紫外線にさらさない

<化粧品>

UV対策アイテム、ファンデーション、美白効果のある化粧品を使用する

<衣類>

つばの広い帽子、長袖シャツ、サングラス、日傘などを使用する

紫外線防止効果

化粧品の紫外線防止効果には、「SPF値」と「PA値」の2つの表し方があります。

<SPF値>

  • ・UVBの防止効果を表す指標
  • ・素肌で紫外線を浴びた時と比べて、肌が赤くなるまでの時間を何倍に長くできるかを表したもの
例:赤くなるまでに約20分かかる人がSPF30のUV対策アイテムを使った場合
20分×30=600分 → 約10時間程度の効果が期待できる

<PA値>

  • ・UVBの防止効果を表す指標
  • ・4段階に区分され、効果の度合いを「+」の数で表示される
☆+の数が多いほど効果がある
PA+ UVA防止効果がある PA++ UVA防止効果がかなりある
PA+++ UVA防止効果が非常にある PA++++ UVA防止効果がきわめて高い
【生活シーンに合わせた紫外線防止用化粧品の選び方】
  SPF10 SPF20 SPF30~
PA+ 通勤・家事・散歩・草取り・買い物など    
PA++ 軽い野外スポーツ・ハイキング・スポーツ観戦など  
PA+++ 炎天下のスポーツ・海水浴・スキー・登山など
PA++++ 非常に紫外線の強い場所
UVケア商品は、正しい使用量や使い方で紫外線カット力にも差が出てきます。

紫外線カット剤には、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります。

<紫外線カット(サンスクリーン)剤>

紫外線吸収剤
  • ・紫外線を吸収し熱エネルギーに変え、紫外線の皮フへの侵入を防ぐ
    (メトキシケイヒ酸オクチル、オキシベンゾンなど)
  • ・UVBはよく吸収するが、UVAを効果的に吸収する成分は限られている
紫外線散乱剤
  • ・紫外線を乱反射して、紫外線の皮フへの侵入を防ぐ
    (酸化チタン、酸化亜鉛など)
  • ・UVBからUVA領域まで広くカットする
「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」
紫外線は老化を促進させるため、美容上の大敵です。
紫外線が強くなる季節だけでなく、1年中紫外線対策を行うとともに、季節に合ったお手入れを取り入れることが大切です。